釈征秀です、
ホモ・サピエンス。
私たち人間の通称であり、
その意味するところは「知恵ある人」。
私たち人間とおサルさんたちとの、
1番大きな違いは大きな脳です。
大きな脳を獲得したことにより
人類は大きな発展を遂げることに
成功しました。
理性。
遠い未来を想像し、新たな道具を創造する
ことができる私たちホモ・サピエンスは、
他のおサルさんたちにはない「理性」を
駆使して、種の成功を収めました。
(今のところは…)
「毎日、俺は理性的に生きているよ。
すべての物事を理性的にとらえて、
自分の意志で生きてるぜ!ヘイ!」
こんな風に多くの人は思っています。
人生では続きざまに様々な出来事が
起こります。
そうした人生に起こる出来事すべてに
「俺はホモ・サピエンスだから、
理性でうまくやっているんだ」
と私たちは考えがちです。
しかし、ブッダは
「そんなことはない、
あなたは反射的に行動を
起こさせられている」
といいます。
「バカな。そんなはずはない。
俺はホモ・サピエンスだぞ。エッヘン」
ホモ・サピエンスは優秀な人類です。
でなければここまで数を増やすことは
できませんでした。
が、
反射的にある物事に反応してしまうと
いう性質はホモ・サピエンスであれば、
必ず持っている性質なのです。
なので、誰もが理性を使うことなく、
反応的に、反射的に暮らすという宿命を
抱いています。
こんな経験はないですか?
・怒ってはいけないとわかっていても、
子どもに怒りをぶつけてしまう
・怒りにまかせて、物に当たってしまい、
壊してから後悔する
・何故かわからないが、ハンバーガーが
食べたくて仕方がなくなる
など。
日常でありふれた感情です。
こうした行動や感情はすべて自分「から」
生まれたものなのか?
ブッダは「NO」といいます。
そして、現代心理学においても「NO」と
いいます。
この記事では、ブッダの教説と心理学から
いかに私達、ホモ・サピエンスが
「反応的」「無意識レベル」に
突き動かされながら生きているかを
見ていきます。
多くの人は
「わたしゃ。理性で生きとる!」
と思っています。
しかし、その思考を持っていた人生で、
どれだけ反応的な行動によってもたらされた
後悔する出来事があったでしょう。
人類の本質を知っていくことによって、
無意識の反応によって生きるのではなく、
本当の意味で理性的に過ごしていける
ヒントになると思います。
本当の意味で理性的に暮らしていると、
・子どもに怒る前に、怒りをフッと
抑えることができるようになる
・怒っても、反応的な行動を取ることなく
我慢できるようになる
・ハンバーガーが食べたくなった、
本当の理由がわかるようになる
といったような恩恵があります。
こうした暮らしに興味があるならば、
最後までお付き合いください。
ブッダが考える心の認知プロセス

まずはブッダが、そもそも心の
認知プロセス、心のシステムをどのように
考えていたかという点から確認して
いきましょう。
ブッダによれば、心の認知システムは
5つに分類され、5つすべてが互いに
関連し合っているとされます。
その5つとは色、受、想、行、識と呼ばれます。
(この5つを五蘊ともいいます)
1つずつ、簡単にみていきましょう。
【色】
物質を指します。パソコン、本、
腕などですね。
【受】
五感(目・鼻・口・耳・皮膚)で感じる
味や香りといった感覚に加え、
心(意識)で受ける感覚のことです。
そして、味や香り、音といった五感で
感じたことを、いいもの・悪いものと
評価する意識もこの受に含まれます。
【想】
「これは○○」と名付ける働きです。
また、連想イメージをする心の動きも
含まれます。
例えば、パソコン→インターネットと
いったようにです。
【識】
識別作用のことです。
「この音は飛行機の音だな」
「この味は酸っぱいな」
「この色は黒だな」といったように。
また、ある音が飛行機の音であると
覚えておく、この色は黒と認識したことを
覚えておくこともこの心の働きの1つです。
【行】
行動です。
そして、取った行動によって獲得した
結果も含まれます。
・・・このように、これら5つの心の働きに
よって物事を判断したり、行動を起こすと
ブッダは考えました。
語句の説明だけだと分かりにくいと
思いますので、このプロセスの働きを
日常に照らし合わせながら、
もう少し詳しく見ていきます。
ある人が、ガサゴソと動く
5センチぐらいの黒い物体を冷蔵庫の
後ろに発見したとします。
この時の心の動きを、ブッダの5つの心の
プロセスに当てはめて考えてみますね。
まず「色」は物質でした。
ですので、ここでの「色」は
「黒くて5センチくらいの物体」を
指します。
続いて、「受」によって
「黒くて5センチくらいの
物体がガサゴソしている」
ことを目と耳で感じます。
そして、目と耳で感じた感覚から
「いいもの、悪いもの」という心の感じを
この段階で会得します。
続いて「想」と「識」が働いてきます。
「黒くて5センチくらいでガサゴソ
動く物体」を見て、
「これはゴキブリ!」
と頭の中にゴキブリをイメージしつつ、
ゴキブリという言葉を連想します。
そして、「黒くて5センチくらいの
ガサゴソ動くもの」をゴキブリと
判断した後、それに対して何かしらの
行動をとることが「行」です。
どんな行動を取るかは、その人によります。
…ドラクエ風に書けば…
・戦う
・魔法
・助けを呼ぶ
・逃げる
いずれかでしょう。
さて、これで5つのプロセスの流れが
終わりました…
…とは、なりません。
この5つの心のプロセスの中で
「識」というのは広い働きをしています。
例えば、このケースにおいて、この人は
エンカウントしたゴキブリに対し
「戦う」を選んだとしましょう。
勇気に感服です。
しかし、勇気報われず、ゴキブリの反撃に
あい、服と背中の間にゴキブリが
入り込むという地獄の苦しみを
受けてしまったとしましょう。
考えるだに恐ろしい…
すると、エンカウントしたゴキブリに
対して、
戦うという判断をすると→
地獄の苦しみを受ける
という「認識」が生まれます。
ですので、この人はこれからゴキブリと
対峙した時に、戦う以外の選択肢、
・逃げる
・魔法
・仲間を呼ぶ
・召喚獣をよぶ
という選択のいずれかを取るように
なります。
このように、行った行動に対しての結果の
認識を覚えておくことも「識」の
役割なのです。
このような5つの心のプロセスを経て、
ある物や出来事に対応するのだと
ブッダは考えたのです。
プライミング効果と自動操縦

ここまで、仏教における心のメカニズム、
モノをどのようにとらえて、ある行動を
起こしていくのかということを
確認してきました。
続いて、現代の心理学者たちの学説を
みていきましょう。
ここで、見ていきたい事柄は
無意識レベルが行動に与える影響
という観点です。
「無意識レベル?なんのこっちゃい?」
そう思われる方も少なくないでしょう。
プライミング効果という不思議
では、ここでちょっと問題を
出してみますので、考えてみて下さい。
【問題1】
□に入るアルファベット一字を答えてください。
SO□P
「英語かよ!知らねぇよ!」という声が
上がりそうですが、少し考えてみてください。
何かアルファベットを入れることができましたか?
では、続いて2個目の問題。
【問題2】
□に入るアルファベット一字を答えてください。
Eat(食べる)
SO□P
今回は前の問題とは違い、Eat(食べる)
という言葉が、わざとらしく置いて
ありますね。
何かアルファベットは入りましたか?
では最後の問題。
【問題3】
□に入るアルファベット一字を答えてください。
Wash(洗う)
SO□P
今回はWash(洗う)が前に
書かれています。
□は埋まったでしょうか?
それでは、答え合わせです。
…といっても答えはなんでもいいのです。
SO□Pの□に何かアルファベットを入れて、
意味ある単語になれば、それでいいのです。
が、おそらく問題1では頭を悩ませた方も、
問題2,3では割とすんなり答えが出たことと
思います。
そして、問題2では□にUをいれ、
問題3では□にAを入れたのでは
ないでしょうか?
問題2ではSOUP(スープ)。
問題3ではSOAP(ソープ)
ということですね。
どうして問題2と問題3では、パッと
アルファベットを入れれたかといえば、
SO□Pの前にヒントとなるような
言葉があったからです。
そして、Eat(食べる)という単語を
見た後はSOUP(スープ)が
出てきやすくなり、Wash(洗う)を
見た後には、SOAP(ソープ)が
頭の中によぎりやすくなります。
なぜなら、Eat(食べる)という単語を
見れば食べ物や食卓に並ぶものを
連想しますから、SOUP(スープ)が
出てきやすくなるのは当然です。
また、Wash(洗う)を見れば、お風呂や
体を洗うイメージが頭を占めますから、
SOAP(ソープ)が頭に浮かびやすく
なります。
実際、心理学の実験においてこの
SO□Pの穴埋め問題を行ったところ、
Eat(食べる)を事前に見る→
SOUP(スープ)
Wash(洗う)を事前に見る→
SOAP(ソープ)
と答えを出す確率が上がったのです。
こうした人間の反応を科学者たちは
「プライミング効果」と呼びます。
特定の何かがプライム(準備)となり、
特定の行動を取りやすくなってしまう
ことを、このように言うわけです。
今の問題の例では、食べるが
プライムとなり、スープという単語が
頭に浮かびやすくなったわけです。
「いや、いや。
穴埋めの前に、これみよがしに単語が
書かれていたら、□の中に入れるものは
決まってしまうのは当たり前だよ」
なるほど。仰る通り。
今回の例は、わかり易すぎる例です。
当然だと思われても仕方ないです。
が、今の心理学者たちはこの
プライミング効果は無意識レベルからも
影響があることを確認しているのです。
自分ではまったく意識はしていない
出来事や物事がプライム(準備)となって、
感情、行動に結びついているというわけ
です。
それを象徴する、こんな実験があります。
プライミングが行動にまで影響を及ぼす?
まず、大学生を対象に
「5つの単語の中から4つの単語を
チョイスして、文を作る」
という課題をやってもらいます。
例えば、
「彼は・見つける・それ・黄色・すぐに」
とあった時に、これらを並べ替えて
「彼はそれをすぐに見つける」
といった感じに並べ替えるのです。
このときに、被験者のグループの1つには
高齢者をイメージするような単語を
混ぜておくようにします。
例えば、
「頭が薄い、しわ、弱々しい」
などの単語です。
こうして単語の並べ替えをやって
もらった後、実験者たちは並べ替えを
行った学生たちにこう告げます。
「他の実験もあります。
廊下の突き当りの部屋まで移動するように
お願いします。」
さて、この実験の本当の狙いはこの
教室間の「移動」にありました。
実験者たちは、こう予想したのです。
「高齢者をイメージするような単語を
混ぜたグループは、移動するスピードが
遅くなるのではないか?」
つまり、高齢者をイメージするような単語が
プライム(準備)となって、本当に
高齢者のような行動を取るように
なるのでは?と予想したわけです。
…結果、実験者たちの予想は的中。
高齢者の単語を使用した並べ替え問題を
解いたグループは明らかに、歩く移動速度が
遅かったのです。
この実験から2つのことがわかります。
①高齢者や老人といった直接的な表現を
していないにもかかわらず、高齢者・老人を
イメージするような単語ですら
プライムになりうること。
②高齢者をイメージさせる単語に
多く触れただけで、実際の行動にまで
影響を及ぼすということ。
実験後に被験者である学生に
「並べ替えた単語に共通する部分は
ありましたか?」
と質問すると、誰もが
「共通するところはなかった」と答え、
「並べ替えが教室移動のスピードに影響を
与えたわけはない」と考えていたことも
わかっています。
つまり、老人というイメージは学生たちの
無意識レベルに蓄積していて、
意識されることはなかったわけです。
このように、イメージ(観念)が実際の
行動にも影響を及ぼす効果を
イデオモーター効果といいます。
これって結構恐ろしいですよね。
世の中には広告や看板など、
至るところに文字や単語が並んでいます。
何気なく街を歩いているだけでも、
そうした広告や看板の単語に影響を
受けている可能性はとても大きいです。
もしかしたら、怒りっぽい日は「怒り」に
関する文字を多く見ている可能性も
ありますし、ネガティブな日は「悲しみ」の
文字に多く触れている可能性すらあることに
なります。
しかも、無意識レベルに単語や文字が
埋め込まれているわけですから、
怒りやネガティブの原因が広告や看板、
テレビといった媒体に影響を受けていると
気付くことはできません。
こわ…
また、さらにイメージが行動に影響を
与えるというイデオモーター効果を
お金のイメージを持ってもらったら
どういう行動を取るのか調べた実験も
あります。
この実験も、まず被験者に先程のような
単語の並べ替え問題をやってもらいます。
想像がつくかと思いますが、並べ替えの
問題の単語の中に、お金をイメージさせる
単語を混ぜこんだわけです。
例えば
「高い・給与・サラリー・額」なんて
感じです。
更に、この実験では実験室内にお金を
連想しやすい小物が設置されるという
念の入れようです。
すると、お金の並べ替えやお金に関する
小物のプライムを受けた被験者は、
自立心が高まるというメリットが
あった一方で、
・利己的になった
・他者への親切心が少なくなった
・人と距離を取るようになった
といったデメリットの影響を受けたことが
わかっています。
いずれの実験にせよ、あるイメージを
プライミングされることによって
実際の性格や行動にまで影響が
あるわけです。
こうしてみると、
「俺は1日のあいだずっと、
自分自身の意思で生きてるぜ!
理性的だろう?フゥ~!」
といったような発言はできなくなることが
わかります。
私達は、周りにあるモノ(お金だったり
パソコンなど)や言葉(お金に関する
単語・老人に関する言葉など)に触れることで、
無意識に行動や性格が制約を受けている
わけなのですから…
私達は理性で毎日を過ごしているのでは
「なく」、プライムにより自動操縦されて
いるかのようですね。
仏教の心のプロセスとプライミング効果

さて、ここまで仏教の心のプロセスと
プライミング効果について見てきました。
ここまで読んでくださるような、
知識欲旺盛で聡い方ならば、すでに
お気づきかと思いますが、仏教での
心のメカニズムとプライミング効果の
親和性は異常に高いのです。
現代心理学で明らかにされつつある、
心のメカニズムを2000年余り前の人物が
解き明かしていたことに驚嘆します。
さすが、ブッダ。
では、この親和性の高さについて詳しく、
ここからみていくことにします。
仏教の心のメカニズムは5つに
カテゴライズされました。
「色、受、想、行、識」でしたね。
物体(色)を見たり聞いたり(受)して、
その見たものや聞いたりしたものを
識別し(識)、連想されることを
イメージする(想)。
そして、何かしらの行動を起こす(行)。
この流れのプロセスで人は物事を判断したり
確認するというのが仏教の心の
メカニズムでした。
さて、プライミング効果を、
この仏教の心のメカニズムに例えると
こうなります。
何かのプライム自体
例えばお金の小物や単語
プライムを見たり聞いたりする
プライムがどんなものかを識別する
プライムからイメージされるものが
心に浮かぶ
プライムから影響を受けた行動を取る
このようにプライミング効果は、
仏教の心のメカニズムにバチッと
当てはまるわけです。
すると、この仏教の心のメカニズムは
2つのパターンに分類されることが
わかります。
1つは、自分で意識される5つの
心のメカニズム。
2つ目は無意識下での5つの心の
メカニズムです。
意識される5つの心のメカニズムは、
初めの例のように、ゴキブリだと認知する
プロセスのようなものです。
黒い物体を視認し、ガサゴソという音を
聞きいたからゴキブリだと判断した。
こうしたケースならば、5つの心の
プロセスがどのように働いているか、
後から考えれば「なるほどな」と
納得できます。
しかし、プライミング効果のように、
無意識レベルでの5つの心のプロセスの
場合、後から考えても
「なんでこんな行動したんだろう?」
と首をひねるしかありません。
高齢者をイメージさせる単語並び替え
問題の実験を思い出してみてください。
被験者であった学生たちは、並び替え問題が
ゆったり歩くことになった原因だとは
気付いていませんでしたよね。
つまり、無意識レベルでの5つの心の
メカニズムを通ると、自分の行動が
説明できない状況になるわけです。
子どもに対して、いつもより
ムカムカしてしまい、怒鳴り散らして
しまった。
無性にハンバーガーが食べたい
気分になった。
こうした感情や行動は無意識レベルで、
何かしらプライムを受けている可能性も
否定はできないわけです。
お金をイメージしやすい状態にいて、
お金がプライムされた状態にいると、
他者に優しくなれなくなりましね。
ですから、お金がプライムとなり、
子どもに当たり散らしてしまったかも
しれません。
また、仏教の5つの心のメカニズムの
1つである、「想」はイメージで
あることを忘れてはいけません。
「想」は連想ゲームのような性格を
持ちますから、
パン→ハンバーガー
ハンバーグ→ハンバーガー
赤と黄色(マクドナルド色)→ハンバーガー
といったように、
別の何かから連想されるものですら
プライムになる可能性もあります。
ですから、電車の遮断器をしこたま
見たからハンバーガーが食べたくなる、
なんてこともあるわけですね。
プライミング効果は無我なり

興味深いことにブッダは、自分自身で
解き明かしてきた、5つの心の認識
プロセス、つまり「色・受・想・行・識」は
無我と説明します。
ブッダはこの5つの心の働きは
無我、つまり
「私のものではない」
といっているわけです。
これら5つすべてが私のものではないことを
説明すると煩雑になりますので、
ここでは
「想(イメージ)と行(行動)」
が、なぜ私ではないことを説明
していきたいと思います。
さて、プライミング効果を考えれば、
ブッダがなぜこのような意見を持つのかが
簡単に理解できます。
先程見てきたように、無意識レベルで
プライミングされた場合、何かしらの
行動を取る理由は意識することが
できません。
「なんで、こんな行動をしたのだ?
テヘペロ。」
というケースの場合、
「私ではない何かが自分を動かした」
としか理解できませんよね。
しかし、プライミング効果の存在を
知ってみると、私達は目にするもの、
聞こえる音などに大きな影響を無意識に
受け取っていることがわかります。
ですから、何かしらの行動をとることは
無意識にプライムされた結果であり、私自身
の意志ではない行動であるわけです。
そして、想(イメージ)についても
同じことが言えます。
あるプライム(色)を感じ取ったとしても、
そのプライムからどんなイメージ(想)を
するかは、もちろん人それぞれですし、
その日の気分にもよります。
今まで生きてきた中での経験、
知っている事、その日の感情などにも
左右されるからです。
ハンバーグを見て、ハンバーガーを
連想する人もいれば、付け合せの人参を
イメージする人もいるでしょうし
びっくりドンキーが頭に浮かぶ人も
いるでしょう。
ハンバーグひとつ取ってみても
人それぞれですし、その日の気分の
良し悪しなどの要因にしてイメージ(想)
するものは違ってくるわけです。
自分の意志でパッと浮かんでくるイメージを
決めることはできません。
言ってみれば、その日その日で
イメージされる事柄は違うわけですから、
プライムとなる事柄も変わってくると
いうことになります。
興味深いです。
ですので、「想(イメージ)」も私では
ないといえるのです。
マイナスのプライミング効果を避けろ

ここまでみてきたように、仏教と
プライミング効果には高い親和性があり、
仏教の心のメカニズムは、そっくり
そのままプライミング効果に適用できます。
プライム(行動の元となるもの)は、
到るところに存在します。
言葉の並べ替えだけで、人は簡単に老人に
なってしまうわけですから、
プライムされるものは慎重に選びながら
生活しなければなりません。
テレビをつけると、
殺人、横領、サギ、誘拐、離婚
といったネガティブな単語が並んでいます。
殺人、横領、サギ、誘拐、離婚。
これらの文字を5秒みてみてください。
…最悪な気分になりますよね。
これだけで最悪な気分、ネガティブの
プライミングが成功したということです。
このプライミングが刷り込まれれば、
気鬱な1日になりますし、仕事は
はかどらず、家族との幸せな団らんも
ポシャります。
ですから、見る文字や聞く音などに
気をつけて過ごす必要があるわけです。
ブッダはだからこそ
悪い友と交わるな、卑しい人と交わるな。
善い友と交われ。尊い人と交われ。
といわれ、悪いプライムを受けないように
戒めます。
ネガティブになったり、利己的になったり、
怒りっぽくなるようなプライムを
受けないよう十分に気をつけていることが
大切です。
逆にいえば、毎日ルンルン気分で
暮らしていたいならば、
幸せ、幸福、喜び、愛、ハグ、最高
といった言葉にプライムを受けるよう
意識を向けてみましょう。
ネガティブな言葉に触れるより、
ずっといい1日になる可能性が
高くなります。
また、自分の身の回りには心がホッと
するような小物、幸せを感じられるような
ものを身に着けておくこともできます。
観葉植物、家族写真、好きな色のキーケース
などなど。
そうすることで、幸福や喜びの行動を
プライミングすることができます。
悪いプライムを避け、良いプライムを
取り入れるようにする。
地味なやり方ですが、より良い人生に
1役買ってくれますよ。
まとめ
この記事では、仏教での心のメカニズム。
そして、プライミング効果をみてきました。
プライミング効果は無意識に働きます。
自覚ができないという意味では、ある種
恐ろしいものではあります。
が、悪いプライムを避けて、良いプライムを
取り入れることを意識するだけでも、
取りたくないような行動を最低限に
抑えることは可能です。
すべての物事やモノはプライムに
なりえます。
周りにあるものはすべてプライムになると
いうことを忘れずに、良いプライムに
溢れた日々を送ることを意識してみては
どうでしょうか?


コメント