そのイメージはあなたが作り上げたもの?【答え「NO」】

釈征秀です。

ブッダは言いました。

「イメージはあなたのものではない」

と。

私たちの頭の中には絶えずイメージが
グルグルと渦巻いています。

牛肉をみては食べている自分を想像したり。

うんちを見てはハエを想像したり。

ある声を聞いたら、その声から
「あっ。私の子どもの声だ」と想像したり。

私たちはこうした突発的にやってくる
イメージを「自分の意識」によって
管理していると思っています。

が、とある科学実験によって、イメージは
ブッダがいうように「自分のものではない」
とされていることをご存知でしょうか。

「え?そんなバカな。
意識を持っていますから、イメージも
コントロールできていますよ。」

そう思う方もいらっしゃるでしょう。

ただ、実は科学的実験が示すことと
ブッダが言われたことは正しいんですね。

つまり、人は基本的に無意識にコントロール
されて、浮んでくるイメージを自分で
決めているわけではないということです。

だからこそ、ブッダは
「イメージはあなたのものではない」
と言われたわけです。

無意識からくるイメージに振り回されると
(というより、多数の人は
振り回されているわけですが)
こんな状況に陥ります。

例えば、

上司から「あとで部屋に来てくれ」と
いわれて、「何を言われるのか、ガクブル」
といらないイメージに振り回されて
気分が悪くなる。

以前、女性にこっぴどく振られた経験が
あり、そのイメージによって女性関係が
怖くなってしまった。

小さいころ劇で失敗を犯し、それがもとで
大人数の前に出られなくなった。

などです。

これらは誤ったイメージに基づいています。

上司から呼び出されたとしても、上司が
あなたを呼び出したのは褒めるためかも
しれません。

以前の彼女の性格が最悪だっただけかも
しれません。

劇で失敗したのも、たまたまだったかも
しれません。

こうして、私たちはイメージを
「自分自身で調整された」ものとして
とらえます。

自分自身の中で生み出されてくるイメージは
正しいものでない可能性すらあるのにも
かかわらず…です。

そんな自分で調整したイメージに
振り回されながら生きていると、無駄に
ネガティブな気持ちを
引き起こしかねません。

ということで、今回と次回とにわたり、

イメージはあなたのものではない
ネガティブイメージの螺旋から逃れる方法

を仏教と科学を交えながら
お話していきたいと思います。

この記事がオススメなのは・・・

・ネガティブな気持ちに振り回されたくない


・悪いイメージを起こしてしまう
 出来事がある


・イメージに振り回されることなく、
 のびのびと暮らしていきたい

このような方にオススメです。

ふと、頭の中に「上司に叱られるのかも」
「人前に出るのが怖い」なんていう
気持ちが出てきても大丈夫です。

そうした思考に抵抗し、
呑まれてしまうからネガティブに
なってしまうのです。

自分で勝手に作り出したイメージに
振り回されることのない生活スタイルを
手に入れてみましょう。

ということで今日は、ブッダと科学が
明らかにした

「イメージはあなたが
作り出したものではない」

という点を確認していきたいと思います。

目次

勝手に産まれるイメージという化け物

思考のどの段階でイメージが生まれるのか?

ワット博士という心理学者は、イメージは
どのように生まれて来るのか?
どういうプロセスの時に生まれてくるのか?

ということを明らかにするため
以下のような実験を行いました。

まず、被験者たちに、ある名詞が書かれた
カードを見せます。

名詞とは例えば「ネコ」「犬」「木」などの
ものの名前のことです。

そして、被験者はパッと見たカードに
書かれたカードの名詞の関連した単語を
いう
ように指示されました。

また、関連する単語には制限が
かけられていて、頭を使わないと名詞の
関連語を答えられないという仕組みに
なっていました。

(どんな制限をかけたのかは、
少し理解がめんどくさいのです。

ここでは制限をかけられたことだけ
覚えておいてください。

ここから制限の詳しい説明をしますが、
読み飛ばしたい方は

「ここから読んで」

まで飛ばして頂いて結構です。
実験内容を綿密に知りたいなら
よんでください)

ここでは制限の内容を4つほど例示します。

1「上位語」
与えられた名詞の上位概念を答える。

例 木→植物

2「等位語」
同じ概念範疇にある言葉

例 桜→松

3「従属語」
従属する言葉

例 桜→材木

4全体語
集まってできる概念

例 木→林

このような複雑なことをやったのですから、
被験者たちは疲れたことでしょう…

「ここから読んで下さい」

このような実験方法ですと、被験者たちが
どのような段階を経て、連想する単語を
出しているのかを詳しく知ることが
可能になります。

つまり、

ステップ
どのような制限をかけられているかの理解。

出されたカードに対してどのような
ルールがあるのかの理解する段階。

ステップ
見せられた名詞のカードの確認。

「花」「犬」「猫」などが書かれている
カードを見て内容を確認するフェーズ。

ステップ
制限と名詞カードから導き出される、
適切な連想語の検索。

ルールとカードに書かれた名詞から導き出される
単語を頭の中で連想するステップ。

ステップ
答えを言う。

これら四段階です。

被験者たちには、各段階ごとに集中を
してもらい、どのような心理状態かを
確認してもらいながら調査されました。

さて、あなたはどの段階で自分で意識した
言葉やイメージを脳内から取り出したと
思われますか?

ワット博士は当初、3段階目のところ、
名詞からイメージされた適切な連想語を
脳内から絞り出すパートにおいて意識が
働いているのではないかと考えていました。

つまり

「馬、馬、馬から連想される言葉…」
「犬、犬から連想される言葉…」

といったように
「連想語を探している時」
意識が働くのではないかと
予想していたわけです。

…が、結果はその真逆なものでした。

注意深く自分の心の動きをみていると、
自分で意識されていなかったポイントこそが
「3段階目」だったのです。

少し難しいですよね。

最後まで読んで頂ければ、
全部繋がりますので安心して、
もう少し読み進めてください。

オートマチックに生成されるイメージ

さて、「3段階目」で意識がなかったとは
どういうことかというと…

まず人はどんな制限をかけられているのか
を理解しますよね。

どんな連想する言葉を出すかのルールを
頭に刻んでおくということです。

そして、ひとたび名詞カードという刺激が
与えられると、思考はルール+名詞という
条件から適切な言葉を

「意識することなく自動的に」

探してきていたということです。

例えば、「猫」の種類を
出すように言われた時に

「ヒマラヤン・シャム・マンチカン」

などの答えがありますが、猫の種類の
どれを答えるかは

「自分が意識したことではない」

ということです。

つまり、ポイントは意識することなく
自動的にという点にあります。

この実験では制限がかけられた状態で
名詞カードを見て、ある単語を
「自動的に」導きだしました。

何かの条件の上(実験では制約)で
何かしらの刺激(実験ではカード)を
与えると自動的ににイメージ(実験では
単語)が浮んでくるということになります。

とすると、頭の中にプラプカと浮かんでは
消えていくイメージが出てくるのに
必要なことは、

自分自身で何かを連想しようとする
意識では「なく」て
その場の条件・与えられた教えと目に
したり耳にした刺激だけ

だといえます。

つまり、何かが頭の中に浮かんでくることに
自分の意志は働いていないのです。

…わかりづらいですか?

頭の中に勝手にやってくる 「◎」

では、こんな例はどうでしょう?

1つあなたに問題を出しますね。

『?にはいる「何か」を答えてください』
◎○◎○◎○?

考えていいのは、あと十秒です…

…というまでもなく、瞬間的に答えが
出たはずですよね(笑)

おそらく99%の方が「◎」と想像したこと
でしょう。

簡単な問題です。

ただ、こうあなたに質問を
投げかけたら困りませんか?

「では、◎が頭に浮かんだ過程を
説明してください」

…困りますよね。

「瞬間的に…」

という言葉しか出てこないはずです。

もしかしたら

「論理的に考えて◎だと思った」

というような意見を持たれた方も
みえるかもしれません。

が、その場合でも

「では、2つの図形の羅列から◎を
導き出した論理自体を説明してください」

と詰め寄ることができます。

(ちなみに20世紀を代表する哲学者の
ウィトゲンシュタインも、この論理自体が
なぜ生まれるのかは説明できませんでした…)

つまり、この図形の問題の場合の
条件や制約、そして刺激は

「2つの図形が規則正しく並んでいる」

ということになります。

つまり先程の実験も、
この図形の並びにしても同じことなのです。

しかし、なぜか言葉が連想されるわけ
ですし、なぜか2つの図形の並びから?が◎
だと思ってしまうのです。

そこに意識は働いていません。

さて、ブッダの

イメージは私のものではない

という言葉から考えれば、これらの実験の
ように勝手にイメージが湧き出てくる
心の動きというのは、名詞カードから
連想される単語を思い浮かべることだけに
とどまらず、すべての物事に対して
行っていると考えることができます。

例えば、

・◎○◎○◎○?から勝手に◎をイメージ。

・女性をみると、オシリをイメージ。

・TUBEを聞くと海が浮かぶ。


・オレンジ色を見ると、ミカンが食べたくなる

などです。

クドイようですが、これらのような
連想モードは「意識されない」わけです。

勝手に◎なり、オシリなり、海が
脳内に浮かんでしまうのです。 

自分の意識ではこれらを
コントロールできていないんです。

何かしらのイメージを持つことは

「条件と刺激」

によるものであり、連想するという
大事な部分はスッポリ意識から
抜け落ちている。

このことを押さえておいてください。

思考・イメージに囚われる人たち

1日の間、イメージに飲み込まれている時間は?

2010年に興味深い研究が行われました。

キスリングワース博士とギルバート博士は
心が今していることと別のことを、
1日の内どのくらい考えているかを
2200人を対象に調査したのです。

被験者たちには普段通り生活を送って
もらうのですが、博士らは適宜こんな
質問をアイフォンを通して投げかけました。

「今、なにしてますか?」
「今していることと別のことを
考えていますか?」

そして、さらに「今の気分は?」と質問し、
「とても良い」から「とても悪い」という
選択をしてもらいました。

この実験で博士らが知りたかったことは
以下の2つです。

1日のうち、どのくらい人は
イメージの世界にいるのか?

イメージの世界に入り込んでいる時と
イメージの世界に入り込んでいない時を
比べた場合では、幸福度の差が出るのか?

という点です。

果たして、結果はどうだったのでしょうか。

さて、あなたは1日のうち、
どのくらいイメージの中にいますか?

「え?仕事してるからなぁ。集中してるよ。
けど、3時間ぐらいはイメージしてるかもな。」

「家帰ってからは、ずっとイメージかも…」

様々な答えがあると思いますが
この実験の結果は
驚くべきものでした。

なんと調査対象の方たちの平均を取った
ところ、対象者たちは起きている時間の

約半分

を空想やイメージの世界に
あてていたことが
わかったのです。

人の頭の中は基本お花畑ですね。

つまり、今していることと考えていることが
一致していることは1日の半分に
過ぎないのです。

幸福感をイメージによって奪われているという事実

そして、博士らがさらに驚いたことに、
心がここにあらずで、目の前のことに
集中していないときほど、幸せでないと
いう結果もでたのです。

「いや、そうはいっても幸せな
イメージをしてる時は幸福だよ。
幸せなイメージをしていれば
良いんじゃない?」

という反論もあるでしょう。

確かに幸せなイメージ、例えば

・明日の試合でホームランを打つ想像
・旅行先の旅館でゆっくりと
 懐石料理を堪能するイメージ

などは人を幸福にしてはくれます。

が、博士らによればそうした幸せな
イメージをしてムフっとしている時の
幸福度でさえ、目の前の作業に
集中している時の幸福度と同じ程度に
落ち着くのだそうです。

とすると…

人は、いいイメージだけで
暮らしてはいません。

不快なイメージや感情を揺り動かさない
イメージが大半です。

そうすると、結局のところ目の前の
出来事に集中した方が全体的な幸福感が
得られるわけです。

先に書いたように、人はイメージする事柄を
自分では選択できませんでした。

つまりいいイメージをするのか、それとも
不快なイメージをするのかを選べません。

つまり、人は自分で選択もできない
イメージの世界をいったり来たりしながら、
目の前の出来事に集中するという幸福を
逃していることになります。

博士らは、この研究の結論をこう述べます。

人間の心はさまよう心。
そして、さまよう心は不満の心だ。

まとめ

ここまで、自分の突発的にやってくる
イメージは自分が起こしたことでは
ないということ。

そして、そうした自分が起こしてもいない
イメージに取り憑かれると幸福度が
下がってしまうということをみてきました。

「なるほど。じゃあ湧き起こるイメージを
無くせば幸せになれるんだな」

と思われるかもしれません。

そのために相当の訓練や修行
(ブッダ並みの)をすれば湧き起こる
イメージを止めるということが
可能かもしれません。

が、誰もがブッダの境地に
辿り着くことは難しいことです。

ですので、次回は流行りのマインド
フルネスから発展してきた簡易的な方法に
よって、やってくるイメージに
振り回されないようにする
やり方をご紹介したいと思います。

「マインドフルネス?
よくわからないし、難しそう…」

いえ。次回ご紹介する方法はたった
4つのステップを踏むだけの簡単な
テクニックですので安心してください。

今日は長くなりましたので、また次回。

※次回分更新済

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